「登記は名変に始まって名変に終わる」
名変というのは、所有権登記名義人表示変更登記(長い!)の略です。
今は所有権登記名義人住所変更登記とか所有権登記名義人氏名変更登記という言い方に代わっています。
こちらの方がわかりやすいですね。一般に名義変更と言えば所有権移転登記のことかと思ってしまいますので。
「登記は名変に始まって名変に終わる」というのは当業界の格言です。
住所の変更や氏名の変更を抜かして所有権移転登記を出してしまうと取り下げの憂き目にあいます。親亀こけたら皆こけた、とか、基礎無しに家を建てるようなものと言えばいいでしょうか。
名変を抜かすのが怖いので所有権移転登記の前件にほとんど白紙の申請書を一件出すというのを聞いたことがあります。
頼み込んで枝番で挿入してもらったというのも。
いつの時代でしょうか??
さて表題の己・已・巳
コとイとミ ですね。自己、已然形、巳年というように意味もそれぞれ異なります。
今回印鑑証明書は已で土地登記は己で同時期の建物登記は巳とそれぞれ異なっています。
己(正字・印鑑証明)・已(登記)は同一性を認め更正登記は不要とした先例(登記研究549号)があります。
建物登記の巳は、己と登記されていたのがコンピュータ化の移記で誤って巳と記載されたと推測しています。
そういう先例や経緯を書いて更正登記不要と考えますがいかがでしょうかと現在法務局に照会中です。
↑建物登記は、私の推測とは異なり、己で申請されていたのになぜか当初から巳で登記されていたというものでした。まあ、そういう経緯があって、今回は更正不要ということになりました。あくまで今回は、ですので、やはり要照会ですね。